Red Hat、AWSと戦略的連携契約を締結。ハイブリッドクラウド全体の仮想化とAIイノベーションを促進

［ノースカロライナ州ローリー - 2024年12月2日（現地時間）発表]　アメリカ報道発表資料抄訳

オープンソース・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードするRed Hat Inc, (以下、Red Hat)は本日、アマゾンウェブサービス（以下、AWS）と戦略的連携契約（SCA）を締結したことを発表しました。両社の長年にわたるパートナーシップに基づき、AWSのマーケットプレイスでのRed Hatのオープンソース・ソリューションの可用性を拡張します。Red Hatは、Red Hat Enterprise Linux AI (RHEL AI)、Red Hat OpenShift AI、Red Hat OpenShift Virtualizationといった先進のハイブリッドクラウド・プラットフォームをAWSのインフラストラクチャ上で活用してアプリケーションをモダナイズ、仮想マシン（VM）の移行、人工知能（AI）の導入といったビジネスにおける重要なニーズに対応することで企業の強化を支援します。

最新インフラストラクチャで仮想化ワークロードを強化

今日、多くの企業が仮想インフラストラクチャの管理における不確実性とコスト上昇という課題に直面しており、複雑なIT環境全体でVMの大幅な移行を進めています。また差別化を保ち、競争力を維持するために、ますますAIを優先するようになっています。こうしたニーズに対応するため、Red Hatはお客様がより簡単にVMとコンテナ化されたワークロードを並行してクラウドに移行し、一貫性と拡張性を向上させるための統合されたエクスペリエンスを提供しています。また、次世代AIワークロードをサポートする、最新プラットフォームとインフラストラクチャも利用できるようにしています。

この取り組みには完全に管理されたターンキーアプリケーション・プラットフォームであるRed Hat OpenShift Service on AWSのサポート強化も含まれています。これによりお客様は、自社のAWS環境でOpenShift Virtualizationをよりシームレスに使用することができます。これはVMの移行やアプリケーションのモダナイズの取り組みの合理化に役立ち、Red Hat OpenShift Service on AWSを介したOpenShift Virtualization上のWindows仮想ワークロード向けサポートも含まれます。さらに、Red Hat OpenShift は、AWS EC２ベアメタルインスタンス上でセルフマネージド製品として実行され、仮想化やコンテナ化されたワークロードの導入に柔軟性を提供します。

OpenShift VirtualizationとMigration Toolkit for Virtualizationを含むRed Hat OpenShiftは、VMの移行をより簡単にします。このソリューションは導入初日からの完全自動化を念頭にクラウドを設計しており、自動修復と調整機能がコンテナとVMワークロードの両方に適用されます。OpenShift VirtualizationをAWS EC2ベアメタル上で稼働することで、VMワークロードは最新のプラットフォーム上で実行しながら、同じレベルのパフォーマンスと冗長性を維持することができます。これによりVMとコンテナが基盤となるハードウェアやインフラストラクチャと直接やり取りできるようになるため、管理上のオーバーヘッドを最小限に抑えられるようになり、従来のハイパーバイザー層が不要になります。

最後に、Red Hat Ansible Automation PlatformがMigration Toolkit for Virtualizationと連携することで、大規模移行を行う際にかかる時間を短縮します。 AWSマーケットプレイスで入手可能な Red Hat Ansible Automation Platform Service on AWSは、自動化をより迅速かつ容易にし、大規模な移行を可能にして、移行後のVMワークロード2日目以降の運用を自動化します。

次世代AI イノベーションの可能性を開く

今回の連携の一環として、Red HatはAWS Marketplace におけるRHEL AIやRed Hat OpenShift AIといったソリューションの可用性を強化しています。これには「Bring Your Own Subscription (BYOS：サブスクリプションの持ち込み）」やプライベートオファーが含まれており、AMD、インテル、NVIDIAのような大手チッププロバイダのAIアクセラレータやGPUをサポートしています。これにより、企業はすぐにAI機能を使用できるようになり、Red Hat OpenShift AI on AWSによるセルフマネージドまたは組み込み機能のサービスを通じて、さらに簡単に拡張できるようになります。

この連携は、Red HatとAWSが開発したGo-to-Marketロードマップに基づいて推進されており、これらのソリューションをお客様に届けると共に、組織のビジネスニーズを満たすためにクラウド環境全体でソリューションをどのように使用できるのかをさらに実証する活動も行います。

サポートコメント

Red Hat　パートナーエコシステムサクセス担当シニアバイスプレジデント　Stefanie Chiras（ステファニー・チラス）
「Red HatとAWSの連携は、継続してハイブリッドクラウド全体でワークロードを実行できる場所から始め、お客様の選択肢を広げることを前提に構築されています。そして今、この選択肢と柔軟性を広げ、企業がアプリケーションを実行する『場所』だけでなく、コンテナからVMまですべてを同じプラットフォームで使用する『方法』にまで拡大しています。今後、AIが企業ITにおいて重要な意思決定の要素となる中、私たちはアクセラレーションされたコンピューティングインフラストラクチャのオプション性を実現し、お客様が独自のハイブリッドクラウドAI戦略とワークロードに最適なハードウェアアクセラレータを選択できるようにします」

AWS　テクノロジーパートナーシップ担当マネージングディレクター　Chris Grusz（クリス・グルス）
「AWSとRed Hatは共通のビジョンを持っています。それは、企業が今後のイノベーションを推進する戦略的な意思決定ができるよう、企業に力を与えることです。私たちの連携は、差し迫ったインフラストラクチャのニーズと、AIなどの将来を見据えたテクノロジーの両方に対処し、お客様のクラウドジャーニー全体を通じてサポートすることに焦点を当てています。Red Hatのオープンソース・ソリューションとAWSの比類のないスケールとサポートを組み合わせることで、私たちは強力なコンビネーションを生み出します。そして、アプリケーションのモダナイズを合理化し、シームレスなクラウド移行を促進して、AI導入を加速します。このような相乗効果によって、企業はDXの複雑さをより効率的に乗り越えられるようになり、テクノロジー主導が強まる現代の状況において、迅速性と競争力を維持できるようになります」

Banfico　CEO Kannan Rasappan（カンナン・ラサパン）氏
「オープンバンキングには、業界の規制に準拠して、重要なアプリケーションを効果的に構築、デプロイ、管理をするために、信頼性が高く柔軟なプラットフォームが必要です。Red Hat OpenShift Service on AWSのおかげで、Banficoはセキュリティやパフォーマンスを損なうことなく需要のペースに合わせてサービスを構築し、アプリケーションの提供を大幅に加速させています。私たちはRed Hat、そしてAWSとの連携を継続することで、柔軟なパブリッククラウドによって最新のコンテナ戦略をさらに構築し、現在と将来の銀行業界のニーズに対応していくことを楽しみにしています」

IDC　ソフトウェアデファインドコンバージド担当リサーチディレクター　Gary Chen（ゲイリー・チェン）氏
「企業は、VMのクラスタを管理すること以上について考え始める必要があります。CIOやITのリーダーは、AIロードマップ、最新アプリケーション、そして次世代のITへの準備をサポートする最新化の原動力として、仮想化インフラストラクチャを最適化する方法を検討する必要があります。企業は、従来のVMと最新のクラウドネイティブ・アプリケーション間の戦略的な架け橋を求めており、業務の継続性を維持しながら、将来のイノベーションへの道筋を整えているのです」

その他のリソース

• Red Hat at AWS re:Invent 2024 を見る
• Red Hat and AWSの詳細
• Red Hat OpenShift Service on AWSに関する FAQ を見る
• AWS上のRed Hat Enterprise Linuxを実行することの利点について
• VMの移行を検討中ですか？OpenShift Virtualizationに関する知識を深める15の主要リソースの詳細
• RHEL AI: LLMsを試す