お客様導入事例
CAE、Red Hat OpenShift でフライトサービスを効率化
概要
CAE は、航空専門家や防衛部隊が重大な局面に対処できるよう、最先端のトレーニング、シミュレーション、および重要な運用ソリューションを提供することを使命としています。同社は年間約 13 万 5,000 人のパイロットにトレーニングを提供し、フライトサービス管理により毎日 1 万 5,000 便のフライトをサポートしています。これは約 5 秒に 1 便のペースです。CAE の没入型フライトシミュレーターは業界で高い評価を得ており、広く採用されています。パイロットのトレーニングにおける確固たるリーダーとして、CAE のシミュレーターは多くの商業航空会社から信頼され、最高水準の安全性と技能を確保するために活用されています。
CAE は自社のハイブリッドなマルチクラウド環境全体にわたって開発を標準化することで、開発者のエクスペリエンスを向上させ、セルフサービス機能と組み込みのセキュリティによりイノベーションを加速しています。また、Red Hat® OpenShift® の機能を活用し、オンプレミスとクラウドの両環境でこれらの変化を包括的に監督しています。
- 業種
航空 - 地域
北米 (NA) - 本社
カナダ、ケベック州モントリオール - 規模
従業員 13,000 名以上
課題
パイロットサービスの可能性を再構築する
イノベーションは CAE のあらゆる活動の中心であり、カスタマーエクスペリエンスの継続的な改善と業務の効率化を支えています。モントリオールに本社を置く CAE は、トレーニング、フライトシミュレーター、および航空ソフトウェアの各事業におけるアプリケーション開発を単一のプラットフォームに統合することで、運用コストを削減し、デプロイメント時間を最適化したいと考えていました。その一例として、同社のシミュレーターをご紹介します。従来はスタンドアローン製品だったシミュレーターですが、CAE はこれを、人工知能、デジタルイマージョン、およびパイロットと乗務員向けのインテリジェント・アプリケーションといった先進技術を使用する独自のコネクテッド・エクスペリエンスに統合することで、トレーニング全体にわたりパイロットをサポートすることを目指していました。
CAE は、クラウド、ハイブリッド、オンプレミスの各システムにまたがる複雑な環境において、プロセスの単純化、標準化、自動化に注力し、2,000 人の開発者とエンジニアが実際の問題解決に集中できるようにしました。
ソリューション
クラウドに依存しないプラットフォームによる開発の標準化
CAE は、より迅速なアプリケーションのデプロイメントと最適化のために、エンタープライズレベルのサポートを備えた、クラウドに依存しない開発プラットフォームを必要としていました。そこで同社は Red Hat サービスと連携して、クラウドネイティブなマイクロサービス開発を実現するために、産業界からの信頼が厚いプラットフォームである Red Hat OpenShift を実装しました。オンプレミス環境向けには Red Hat OpenShift が使用され、フルマネージド型のクラウドソリューションとしては Microsoft Azure Red Hat OpenShift と Red Hat OpenShift Service on AWS が使用されています。
「CAE は 7 つの地域に 12 のクラスターを保有しており、Red Hat OpenShift を使用することで、オンプレミスかクラウド環境かにかかわらず、開発者のエクスペリエンスを標準化しています。またワークフローを効率化し、継続的インテグレーションおよび継続的デプロイメント (CI/CD) 用の組み込みツール、再利用可能なテンプレート、自動化されたセキュリティポリシーにより、開発者がセルフサービス方式で作業を行えるようにしました」と、CAE のプラットフォーム・リーダーである Rafael Belanger 氏は述べています。
さらに、すべての環境におけるワークロードとそのパフォーマンスを監視して、開発の早い段階で潜在的な問題を特定できるように、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes と Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes が導入されています。2,000 台近くの Red Hat Enterprise Linux® サーバーを有する CAE は、Red Hat Ansible® Automation Platform によりインフラストラクチャ管理を自動化することで、効率性を向上させ、システム全体の円滑な運用を実現しています。
コーディング、デプロイメント、および運用に標準化のアプローチを取ることで、CAE のエンジニアおよび開発者はインフラストラクチャやセキュリティの管理ではなく、現実の問題に対処するための革新的なソリューションの構築に集中できます。
ビジネス成果
開発者による迅速なイノベーションを支援
CAE は Red Hat OpenShift を導入して、自動化されたセキュリティとコンプライアンス・ポリシーを備えた、一貫性のある効率的なプラットフォームを開発者に提供しています。社内開発プロセスに自動化を採り入れることで、同社は市場投入までの時間を短縮し、リリース頻度を高めることに成功しました。フライト・シミュレーションとトレーニングを事業の中核とする同社は、Red Hat ソリューションを導入した結果、パイプラインの早い段階でセキュリティの脆弱性を特定して解決することで、遅延を防止しリスクを軽減しています。
CAE は Red Hat OpenShift に対してマネージドサービスのアプローチを採用したことに加え、プロセスを標準化し、IT チーム間のコラボレーションを促進することで、インフラストラクチャ・コストと管理負荷を軽減しています。
今後の展望として、CAE は Red Hat と連携して Red Hat OpenShift Virtualization による主要なプロセスの仮想化について概念実証 (PoC) を行うことを計画しており、インフラストラクチャのさらなる強化とトランスフォーメーションの推進を目指しています。
CAE は 7 つの地域に 12 のクラスターを保有しており、Red Hat OpenShift を使用することで、オンプレミスかクラウド環境かにかかわらず、開発者のエクスペリエンスを標準化しています。またワークフローを効率化し、組み込みの自動化ツール (CI/CD)、再利用可能なテンプレート、自動化されたセキュリティポリシーにより、開発者がセルフサービス方式で作業を行えるようにしました。
関連資料
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