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Red Hat Ansible Automation Platform のお客様からよくいただく質問の 1 つに、「組織の自動化の導入を加速するにはどうすればよいですか?」というものがあります。これらの企業のほとんどは、何年も前に IT 自動化の必要性を完全に認識し、IT 自動化が組織にもたらす潜在的な価値を理解しています。しかしながら、多くの場合、それらの企業は IT 環境全体で自動化を拡張しきれておらず、なぜ拡張できないのかについての理由を完全に理解していません。こうした課題に直面しているのは特定の組織だけではありません。貴社も同様の課題を抱えておられる場合は、Red Hat がお手伝いさせていただけます。

まず、組織が IT 組織全体の明確な自動化戦略を策定し、その戦略と連携しているかどうかを確認する必要があります。その戦略はチーム間で共有されており、ユーザーが必要な変化を受け入れる体制が整っているだろうかと自問できます。  

自動化戦略を構築する方法

自動化プロセスの初期段階ではテクノロジーに重点を置くことは当然です。Red Hat では通常、小さく始めていくつかのタスクやプロセスに焦点を当て、成功の基盤を確立することを推奨しています。しかし、自動化で最も成功を収めている組織は組織のプロセスを検証し、自動化への投資から得る価値を最適化するために起こす必要のある文化的な変化にも対応しています。これを早く実行するほど、自動化による生産性、パフォーマンス、投資対効果 (ROI) のメリットを早く享受できます。 

以下は、Ansible Automation Platform のお客様に自動化の導入を案内するために Red Hat サービスチームが使用する一連のアクティビティーです。これらのセッションで、Red Hat のコンサルタントは、お客様の事業部門、エンジニアリング、運用、アプリケーション開発の各チームを含む部門の壁を越えたチームをまとめます。同時に、組織内の目標と現在の課題について考慮し、これらについて議論します。また可能な限り、(付箋やホワイトボードを使った) 対面でのワークショップを使用します。その理由は、コミュニケーションが取りやすく、注意が散漫するような状況を減らすことができるからです。ただし、Miro などのコラボレーションツールを使用してバーチャルに行うこともできます。

1.自動化によって実現したいビジネス成果を文書化する

投資対効果 (ROI) と IT の生産性のどちらを向上させたいか?企業にとって最も重要なのはセキュリティと信頼性か?たとえば、チケット発行の SLA を満たしていないか、ネットワーク設定の手動の部分が多すぎるかもしれません。自動化は、停滞している変革的なプロジェクトを加速できるか。最終的な結果を念頭に入れて開始すると、そこに到達するために必要な手順を計画しやすくなります。 

また、ここで「文書化」という言葉を使用していることにも注目してください。当然のように思われるかもしれませんが、戦略を書き出して他の人と共有し、自動化の目標の背後にある「理由」を全員が理解できるようにする必要があります。

2.現在の自動化の取り組みが、どの程度ビジネス上の最重要目標に関連しているかを把握する

これは重要なステップです。全員に主な自動化のユースケースを書き出してもらい、それらを主要なビジネス成果に直接関連付けることができるかどうかを確認します。自動化がビジネス目標の達成にどのように役立つかを関連付けて明確に定義できなければ、空回りするだけでしょう。一般に、自動化プラクティスを拡張するには、自動化するタスクやシステムの総数よりも、自動化が適切な方法で効果をもたらすかどうかの方が重要になります。 

保険会社のグローバル企業である Mapfre が、この課題にどのように取り組んだかを紹介します。

3.自動化ファーストの考え方を定着させる

自動化によって変革を推進するためには、ほとんどの企業が組織全体の行動を適応させ、変化させる必要があります。その一例が、組織全体での「自動化ファースト」の方針です。つまり、現行のプロセスを自動化の視点から見直す必要があります。このステップは、組織内のすべてのチームが自動化コンテンツを作成し、変化に順応して習熟度が上がり、自動化を適用して問題を解決することが当たり前になるときに達成したと言えます。

組織全体でこのマインドセットを促進する方法について知りたい場合は、Native Federal Credit Union が自動化の文化をどのように構築したかについてお聞きください。

4.チームの枠を超えたコラボレーションと信頼の醸成に取り組む

開発チームやエンジニアリングチームなど、過去の疑いや非難が絶えないチーム間の障壁を打ち破るためには、時間と忍耐が必要です。サイロを分解するために、開発者とプラットフォームエンジニアを同じチームに配置してコミュニケーションを促進し、それぞれの視点を理解できるようにしている組織もあります。少なくとも、これらのチームは、主要なユースケースで特定された問題を解決する必要があることに合意する必要があります。これにより、全員が同じ目標に向かって作業できるようになります。

5.自動化のコミュニティ・オブ・プラクティスを確立する

自動化の自動化のコミュニティ・オブ・プラクティス は、アイデア、Ansible コンテンツ、経験、質問、自動化に関するベストプラクティスを共有するために集まった人々の集まりです。コミュニティ・オブ・プラクティスを通じて、これらの人々はスキルを高め、相互に学び、ベストプラクティスについて議論し、新しいコラボレーション方法を見い出すことができます。また、コミュニティ・オブ・プラクティスを通じて自動化コンテンツを利用し、貢献する場を作ることで、信頼できる反復可能な方法で自動化を使用できるようになります。  

適切な自動化戦略を実施していますか? 

戦略が策定された後でも、エキサイティングな新しいイノベーションやテクノロジーがリリースされても、それを長期にわたってビジネスに役立つものにしていく必要があります。持続可能性テストに合格するには、自動化は以下の要件を満たしている必要があります。

  • シンプルである:特定のビジネス目標をサポートするユースケースを 4 つまたは 5 つ特定します。これが出発点になります。
  • 説明責任がある: 組織全体の標準を確立し、プロセスを変更する
  • 責任を担う:ユースケースを導入する際にコンプライアンスとセキュリティへの影響をプロアクティブに考慮する
  • 自律性がある: 可能な限り人の介入を排除する 何度でも、どこでも一貫して動作する、予測可能な自動化を作成します。
  • スケーラブルである:自動化コンテンツを異なる IT ドメイン間で繰り返し可能な方法で共有する自動化コンテンツの信頼できる情報源を確立します。

そのほかにも、自動化の導入は目的ではないことを忘れないでください。これは継続的なプロセスであり、プロセスと改善のサイクルを継続的に進化させるという目標を持って取り組む必要があります。

その他の資料


執筆者紹介

Tricia McConnell is Principal Product Marketing Manager, Red Hat Ansible Automation Platform. She brings more than twenty years of experience marketing technical solutions to enterprise IT audiences. 

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